咆哮と彷徨の記録




■『硫黄島からの手紙〜Letters from Iwo Jima〜』★★★ 10/01/29UP



渡辺謙、二宮和也、中村獅童出演

届かない手紙

1944年6月、太平洋戦争中の硫黄島に、新たに陸軍中将、栗林忠道(=渡辺謙)が赴任してきた。

アメリカに滞在した経験を持つ彼は、誰よりも米軍の実力を知っていた。

万歳特攻や自決を禁止した彼の指揮は硫黄島にいる兵たちに衝撃を与える。

手紙を書き、読むのは二人、栗林と西郷昇一等兵(=二宮和也)だ。

戦争が早く終わることを、そして一日でも硫黄島が長く日本領土であることを切に願う栗林中将が泣ける。

そして合理的な考え方は軍にはあってない、日本の体制が考えることをなくしているというべきか。

トップの命令うのみでどれだけの犠牲者がでたことか。

また、家族を心配し、死が待っている戦場を憂い嘆く一般兵西郷は一般人の感覚に近く視聴者は彼に自分の姿を投影しながらみることになる。

彼らのほかにも数人ばかり手紙のシーンがでてきて軽くバックボーンが語られる。

日本人もアメリカ人も違いはないというテーマを非常にわかりやすい。

そして、日本兵の自決シーンがとても生々しくて気持ち悪かった。

あの死に方はむごすぎる。

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■『愛しのローズマリー〜SHALLOW Hal〜』★★★ 05/03/03UP



グウィネス・パルトロウ、ジャック・ブラック出演

容姿と心の美しさは比例しない

〜あらすじ〜

父の遺言のせいか女性を外見でしか判断しないハル(=J・ブラック)。

エレベーターに一緒に閉じ込められたカウンセラーから“心の美”をみる力を授かる。

すると、心が美しい人が外見に反映されてみえるという目になる。

人を外見で判断してはいけない、といわれても人間の五感の8割をしめるといわれる視覚からの情報を重要視するのは当然のことだ。

そのなかで外見の美しさと心の美しさは共存しないと決めつけた内容はかなりの挑戦だろう。

次のような話を男性のかただったら経験したことがあるんじゃないでしょうか。

カタログを見ていて、「あ、この子かわいい」なんて言ったりすると、「絶対性格悪いよ!」という女がいる。

反論するとろくなことにならない。

美人=性格悪という図式がこの世には存在している。

現実とハル視点からみることができるローズマリーの外見のギャップを利用したコメディー部分はかなりつぼにはまった。

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■『犬神家の一族』★★★ 09/01/07UP



石坂浩二、松嶋菜々子、深田恭子、奥菜恵、尾上菊ノ介、松坂慶子、仲代達矢出演

金田一少年の祖父登場

犬神家の調査を依頼された金田一耕助(=石坂浩二)。

しかし、依頼人の弁護士の毒殺死体が見つかる。

超大金持ちの名家でおきた連続猟奇殺人事件の幕があがる。

謎を解くのはご存知金田一少年の祖父耕助だ。

はじめてみたのだが、実にほのぼのとしてた。

金田一少年も間が抜けているところがあるが、それはじっちゃん譲りだったのか。

ビシッと謎を解くかと思いきや、意外と時間がかかった。

有名な原作を映画化しただけあって、サスペンス要素に不満はない。

豪華キャストが演じる登場人物たちは誰が犯人でもおかしくないぐらい存在感たっぷり。

2時間超えの長尺も気にならない。

話のキーは亡き犬神佐兵衛(=仲代達矢)の遺言状だ。

彼には腹違いの娘3人がいて、彼女らの家族を巻き込んでの大騒ぎ。

冒頭で消えたこの佐兵衛が一番の悪党だ。

何人の女性に子どもを産ませてんだという話だ。

5人?

それはともかく、戦後の日本を舞台としたほのぼの探偵金田一耕助をみるのは悪くない。

探偵独特の鋭さが全く感じられない役作りはすばらしい。

事件は解決するのか心配になるほどだ。

この犬神家におこる殺人事件はひどい。

誰が殺されたかはいわないが、一人目が首を切られて人形に飾られる。

二人目は首を絞められ、屋根に放置。

三人目は湖に足が出てるあの有名なシーン。

とくに最後のやつが異常すぎる。

金田一少年の原点は超豪華キャストなので、ぜひご覧あれ。

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■『いま、会いにゆきます』★★ 05/11/26UP



竹内結子、中村獅童出演

〜あらすじ〜

澪(=竹内結子)が死んで一年、巧(=中村獅童)とゆうじは、雨の季節に澪が帰ってくると信じていた。

なぜ?

そんなある雨の日、ゆうじの秘密基地に行ったとき、澪らしき女性が座りこんでいた。

「雨の季節、は戻ってくる・・・。」

この映画は、『世界の中心で、愛をさけぶ』と並んで2004年を代表する純愛映画。

“純愛映画”、“泣ける”は自分にとってはNGワードで、聞いただけでケチをつける気満々だ。

澪が死に、親としての役割を果たせていないと嘆く巧は、『世界の中心で愛をさけぶ』の朔太郎にそっくりだ。

めそめそ度でいうと朔太郎が数段上だが。

ちなみに澪(みお)と読む。

そして雨の季節、澪と奇跡の再会を果たす。

澪がゆうじに残した絵本に、雨の季節になったらアーカイブ星から帰るとあったのだ。

巧とゆうじは何の疑いもなく澪だと決めつける。

最愛の人が目の前に現れ、動揺するのも無理ないが、『世にも奇妙な物語』だったら確実に罠だ。

神隠しにあうに決まっている。

湯治場で働かされても知らないから。

記憶のない澪に巧は、二人の出会いを語り始める。

そして、梅雨が明け、澪はいなくなる。

この後の展開が、泣かせ所かと思われるが、自分は鳥肌が立つくらい怖かった。

彼女は20歳のときに事故にあい、9年後にタイムスリップした。

なぜ?

そして、タイムカプセルに入れていた自分の日記(※20歳の自分が知らない9年分)を読んで、そのとおりに実行したわけだ。

しかも予言を残している。

絵本を隠れ蓑にしていますが、あの挿絵といい、場所といい、「これで私以外の女の人に愛することはないだろう。」という意図が容易に読み取れる。

呪われし絵本、すべてのカラクリとなった日記、そしてタイムスリップで自分の願いを成就させたわけだ。

純愛とホラーは紙一重である。

怖くて泣きそうになった

■『イレイザー〜ERASER〜』★★ 05/02/17UP



アーノルド・シュワルツェネッガー主演

破壊神降臨!

〜あらすじ〜

FBI証人保護プログラムの執行官であるジョン・クルーガー(=A・シュワルツェネッガー)はリー・カレンという女性を保護する。

彼女は最新兵器EM銃を製作する会社の裏事情を知ったため命を狙われることになったのだった。

イレイザーというタイトルから殺し屋関係の話かと思っていたが、連邦捜査官というまともな職業に驚いた。

しかし、桃鉄]にあったイレーザーカードの理不尽な行動(※1駅の物件を全て潰す)はどう説明するんだと思っていたのだが、後半はアクションばっかりで、『ターミネーター』でも使えるようなシーンがいっぱいだった。

使いまわしも可能なくらい破壊シーンたっぷり。

映画が終わるころには彼がFBIであることを忘れているだろう。

『X-FILE』のモルダー捜査官とか今思えば地味だった。

この映画でのシュワちゃんの役柄はどうみても正義の味方だが、破壊したものはターミネーターを上回る悪役ぶり。

シュワちゃんの映画は役の善悪に限らずなんでも壊すという基本理念があるようだ。

■『インシテミル -7日間のデスゲーム-』★ 12/05/12UP



藤原竜也、綾瀬はるか、石原さとみ、武田真治、平山あや、阿部力、北大路欣也、
片平なぎさ、石井正則出演

原作とは別物

時給11万のわけありバイトに応募した結城理久彦たち10人は暗鬼館という周囲から隔離された施設で7日間過ごすよう通達される。

そこでは人を殺したり、犯人を当てるとボーナスがもらえるというものだった。

いきつけの本屋で、映画化される文庫本コーナーにあった本を読んだのがきっかけだった。

何度も読み返すぐらいおもしろい原作だったので映画のほうも期待していたのだが、もはや別物というしかない。

登場人物が減らすことで尺を短くしようとしたのはわかるが、原作の主題でもあった、「ミステリーへの敬意」というものが全く感じられない((+_+))

残念ながら製作者サイドはイケメン俳優と若手人気女優の殺し合いを見せたかっただけのようだアハハハハ "o( ̄▽ ̄メ )。o0○(())

というわけでレンタルする人は原作とは別物のただの殺し合い映画と思ってください。

石原さとみが意外とおっぱいがでかいことに気づいたのが収穫です。

■『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア〜INTERVIEW WITH THE VAMPIRE〜』★★★ 05/08/30UP



トム・クルーズ、ブラッド・ピット出演

死体と踊る男

〜あらすじ〜

あるビルの一室でインタビュアーを前にルイ(B・ピット)が自らの半生を語り始める。

吸血鬼の本能から人間の血を吸わずにはいられないルイだが、人間を傷つけることを拒む。

しかし、母親の死体にしがみつく少女クローディア(=キルスティン・ダンスト)に噛み付く。

少女趣味だった

このクローディア、『スパイダーマン』のヒロインM.Jが出演しているとは思わなかった。

まさにお人形さん的美少女。

ルイを吸血鬼にしたレスタト(T・クルーズ)は吸血鬼生活が長いせいか人を殺すことに全く抵抗がない。

ルイにいろいろと指導するわけだが、死体と踊るなどイッちゃってるし、ウザイ。

狼と踊る男ならぬ、死体と踊る男。

ちなみにこの映画での吸血になる方法は、吸血鬼に致死量の血を吸われ、吸血鬼の血を吸うこと。

簡単にヴァンパイアが増えないわけだ。

このへんの設定はうまい。

ちなみにマイマザー曰くブラッド・ピットの演技が凄すぎてトム・クルーズを完全に食ってしまっているそうだ。

■『イン・ザ・プール』★★★ 10/11/22UP



松尾スズキ、オダギリジョー、市川実和子、田辺誠一出演

精神科医伊良部一郎の映画化

原作奥田英朗の精神科医伊良部シリーズの実写バージョンとなっている。

基になっている話は3つだ。

陰茎強直症の男(=オダギリジョー)に強迫症の女(=市川実和子)、そしてプールで泳ぐのがやみつきになった男(=田辺誠一)だ。

この三人の共通点は、主人公伊良部と関わる&これから関わるということ。

前の2人は伊良部にいいように振り回されている。

小太りの中年医師で陽性のキャラクターだった伊良部だが、松尾スズキが演じることによってやや陰性が入っている気がする。

原作と違うといわれれば少しずれている気がする。

露出狂の看護師マユミちゃんはただ立っているだけと、太ももを露にしたり谷間を強調したりするというサービスもない。

そこはグラビアアイドルを起用して入れるべきだったと思う。

三人目の話以外はほぼ原作どおりなのでファンの方は見てもいいのかなと思う。

■『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 -Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull-』★★★ 12/04/27UP



ハリソン・フォード、シャイア・ラブーフ出演

インディ・ジョーンズ復活

1957年、アメリカネバダ州にある政府の倉庫にソ連の軍人と彼らに拉致されたインディ・ジョーンズ(=ハリソン・フォード)の姿が。

19年ぶりの最新作は、水晶のドクロ、クリスタル・スカルが主役だ。

クリスタル・スカルをめぐり、インディたちとソ連軍のスパルコ大佐たちが争奪戦を繰り広げる。

さすがにハリソン・フォードも歳をとったなぁと感じる。

ご老体にムチ打ってのアクションシーンにはやはり切れがない。

もちろんムチ打っては文字通りの意味になる。

とはいえ、『スター・ウォーズ』のハン・ソロ役でもアクションに切れがあったとはいいがたいが。

19年たっているが、雰囲気は変わらず、謎解きでは天才的閃きをみせるが、ここぞの場面で間抜けなインディ・ジョーンズは健在だ。

今回の相棒は、マット(=シャイア・ラブーフ)というバイクとナイフを愛する青年だ。

彼の素性も驚きである。
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