咆哮と彷徨の記録

♯5  『白夜行』



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『白夜行』



東野圭吾 集英社

怖すぎて眠れず、大失態


〜あらすじ〜

質屋店主桐原洋介が何者かに殺害されます。彼の死から全てが始まります。


2006年1月からTBSでドラマ化されています。『トキオ』、『ゲームの名は誘拐』を読んですっかり東野圭吾ファンになったわけですが、ドラマ化されるということで購入しました。

序盤はそれほどでもなかったんですが、物語が進むにつれハマってしまいました。以前にも書いたんですが、これ読んで大失態を演じてしまいました。まさかこれほど怖い小説だったとは思いませんでした。

何が怖いかというと、事件の真相が不明瞭なところです。自分で勝手に想像しながら読み進むわけでそれが背筋が凍るほど怖い。とにかく怖い。これは初読なので、未読のかたは最初に読むときを楽しみにしておいてください。

おもしろさは折り紙付きなんで詳しい感想は他のサイト、ブログ管理者様に任せるとしてこのサイトでは登場人物の紹介をします。なお、完全にネタバレしているので、既読者の方のみ見てください。






ページ数、章は単行本を参考にしています。



●第1章 1973年 P.3〜49●


★桐原亮司

大江小学校5年生、切り絵が得意。質屋『きりはら』店主桐原洋介、妻弥生子の息子。ビルで雪穂といる父を見て殺害(?)した。

★西本雪穂

大江小学校5年生(※第2章の設定から逆算)、『風と共に去りぬ』を読んでいた。亮司の父洋介に・・・。6年生のとき、母文代をガス中毒死に見せかけた(?)。

☆笹垣潤三・・・大阪府警の刑事。

・桐原洋介・・・質屋『きりはら』の店主で殺害される。亮司の父。

・桐原弥生子・・・洋介の妻。亮司の母。松浦と不倫関係にあった。

・松浦勇・・・質屋『きりはら』店長。弥生子と不倫関係にあった。

・西本文代

雪穂の実母。うどん屋で働いている。寺崎忠夫と半年前から付き合っている。ガス中毒(?)が濃厚だったが、笹垣は雪穂の犯行の可能性を示唆。

・寺崎忠夫

化粧品などの卸売り。天麩羅うどんが好き。文代と付き合っている。交通事故で死亡。

・田川敏夫

雪穂らが住む吉田ハイツの管理者。雪穂と一緒に文代の死体を発見した。




●第2章 1977年 P.50〜80●


★桐原亮司

大江中学校3年生、秋吉、牟田と同じクラス。藤村都子事件の実行犯(?)、亮司にとって不都合な写真を持っていた菊池文彦を犯人に仕立て上げたのちアリバイを証明する。小物入れを雪穂からもらう。

★唐沢雪穂

清華学園中等部3年生。小学校6年生のときに母文代が死に、唐沢礼子に引き取られる。川島江利子と共に英会話塾に通う。演劇部に所属している。


☆秋吉雄一

大江中学校3年生。一眼レフのカメラを所持。雪穂を盗撮していた。おじの撮っていた写真の中に松浦勇と桐原弥生子の姿があった。藤村都子事件のさいに、警察に尋問され、菊池文彦と牟田俊之の名を告げる。

・菊池文彦

大江中学校3年生。弟が洋介の死体の第一発見者。4年前の事件を調べていて、秋吉から写真をもらい亮司に見せる。藤村都子事件の重要参考人だったが、亮司にアリバイを証明されるかたちになり、亮司の詮索をやめる。

☆川島江利子

清華学園中等部3年生。雪穂と同じクラスになり、交友を持つ。小学校5年生のときから日記を書いている。

・唐沢礼子・・・雪穂の養母。雪穂を引き取った。裏千家茶道、華道、琴

・牟田俊之

秋吉から雪穂の写真を買っている。学校一のトラブルメーカーと思われる。

・藤村都子

清華学園中等部3年生。音楽部部長。雪穂に嫉妬し、噂を流す。両手両足を縛られているところを雪穂と江利子に発見される。

※音楽部ってブラスバンド部とか吹奏楽部とかとは別物?




●第3章 1979年 P.80〜121●


★桐原亮司

集文館高校2年生。AB型。中年の女性相手に売春斡旋をしている。無限企画をたちあげる。


☆園村友彦

集文館高校2年生で亮司とクラスメイト。O型、亮司に声をかけられ、花岡夕子と関係をもつようになる。花岡夕子の件で亮司に助けられ、無限企画を手伝うことに。

☆西口奈美江

川田和子、花岡夕子と共に亮司の部屋で待っていたが・・・。無限企画の経理係

・川田和子・・・亮司のお得意様。

・花岡夕子・・・ポニーテールの女。園村とことにおよんだ後、心臓麻痺で死亡。



●第4章 1979年 P.122〜149●


★唐沢雪穂

清華学園高等部2年生


☆中道正晴

北大阪大学工学部電気工学科の学生。雪穂の家庭教師。雪穂の過去について調べる。『サブマリン』というコンピュータゲームの製作に関わっている。亮司、西口奈美江、園村友彦はこの『サブマリン』をコピーし、『マリン・クラッシュ』として販売していたものと思われる。

・田川敏夫・・・西本文代の事件について中道に語る。

・美濃部・・・中道正晴の先輩で『サブマリン』製作の責任者と思われる。



●第5章 1981年 P.150〜178●


★唐沢雪穂

清華女子大学1年生。永明大と合同のソシアルダンス部に入部。


☆川島江利子

清華女子大学1年生。雪穂とともにソシアルダンス部に入部。篠塚と交際し始めるも・・・。

☆篠塚一成

永明大4年生ソシアルダンス部部長。江利子に興味をもつ。篠塚薬品専務の長男。

・倉橋香苗・・・ソシアルダンス部清華女子大の代表。篠塚と付き合っている。

※この章で江利子が中学校の藤村都子のときと同様何者かに襲われる。おそらく亮司の仕業だと思われるが、この事件の動機がよくわかりません。ダンス部のお金25万を手に入れるためだけとは思えません。



●第6章 1982年10月 P.178〜206●


★桐原亮司

偽造カード作り、ゲーム販売に専心。


☆園村友彦

信和大学工学部電気工学科2年生。亮司を手伝っている。

・西口奈美江

大都銀行昭和支店に勤務。架空の口座に不正送金していた。やくざの榎本に貢いでいたものの、上司である真壁幹夫にバレる。真壁は榎本らに殺されたらしく、奈美江も逃亡を図るも・・・。

・榎本宏・・・亮司の事務所にやってくる。

※亮司は雪穂に奈美江の格好をさせ、預金を下ろさせた。そして、榎本に奈美江の居場所を教えたものと思われる。



●第7章 1985年10月〜 P.207〜235●


★唐沢雪穂

高宮誠との結婚を間近に控える。


☆高宮誠

東西電装東京本社特許ライセンス部に勤務。大学4年生のときから雪穂と付き合い始めた。ソシアルダンス部の副部長だった。雪穂との結婚を間近に控えていたが、三沢千都留のことが頭から離れず、篠塚一成に相談する。

☆三沢千都留

派遣社員で高宮誠の職場に派遣される。誠に好意を寄せていたが、結婚間近と知り、故郷の北海道へ帰る決意をする。

・朱美・・・千都留と同じ派遣社員。

・高宮頼子・・・誠の母。誠と雪穂の引越しを手伝う。

・篠塚一成・・・誠に結婚について相談される。

※誠と一成の電話を亮司が盗聴していて、結婚前夜の企みを阻止した。結果、誠と千都留はそのまま離れ離れに。



●第8章 1985年12月〜1986年1月 P.236〜267●


★桐原亮司

パソコンショップMUGENを開店。松浦に説得され、スーパーマリオブラザーズの海賊版を製作し始める。1986年1月、行方をくらます。


☆園村友彦

亮司の店を手伝っている。大学2年のときから弘恵と付き合っている。


・金城・・・ゲームの海賊版を売りさばいているらしい。

・中嶋弘恵

園村友彦とバイト先で知り合い、店をやめたのをきっかけに亮司の店で働くことに。2年前に妊娠したが・・・。

・松浦勇・・・ブローカー。亮司を説得し、マリオのコピー版を作らせる。

・笹垣潤三・・・園村を訪ねる。



※後に松浦のサングラスの破片が唐沢礼子が手入れしていたサボテンの鉢から見つかる。松浦の死体を唐沢家の庭に埋めたと思われる。殺された時期は不明。

●第9章 1988年4月半ば〜 P.267〜300●


★高宮雪穂

誠と結婚し2年半が過ぎた。株を始めるも誠の怒りを買い、売却する。(※実際は売却していなかった) そのあとアパレル業界に興味を持ち始め、青山に出店。


☆高宮誠

東西電装東京本社特許ライセンス部に勤務。生産技術エキスパートシステムとよく似た金属加工エキスパートシステムが報告され、情報漏洩の可能性があるとし、調べることに。IDとパスワードを雪穂に知られ、亮司が悪用したものと思われる。


・三沢千都留・・・イーグルゴルフ場に通う。そこで誠と再会。


雪穂が誠と別れるため、千都留と引き合わせた。亮司は千都留の動向を探っていたことがこの後の章で明らかになっている。



●第10章 1991年大相撲夏場所あたり P.300〜340●


★唐沢雪穂

誠と離婚。


☆今枝直巳

私立探偵。3年前は東京総合リサーチに勤め、東西電装の依頼でメモリックスの秋吉雄一(※亮司の偽名)を調べていた。また、探偵のため偽名で前田和郎を使用。


・高宮誠・・・雪穂と別れ、千都留と結婚したと思われる。ゴルフ場で今枝と出会う。

・高宮千都留・・・誠と結婚(?)し、妊娠中。

・篠塚一成

従兄の篠塚康晴と雪穂が結婚するにあたり、調査を今枝に依頼する。

・菅原絵里

今枝の事務所のそばにある居酒屋で働いている。時々今枝の助手をしている。

・元岡邦子

インテリアコーディネーター。雪穂と同じ清華女子校に通っていた。今枝の偽取材を受ける。

☆手塚江利子

2年前に結婚した。今枝の偽調査を受ける。雪穂との仲は疎遠に。




●第11章 1991年夏 P.341〜372●


☆今枝直巳

私立探偵。3年前は東京総合リサーチに勤め、東西電装の依頼でメモリックスの秋吉雄一(※亮司の偽名)を調べていた。篠塚の依頼を受け、雪穂の身辺、過去を調査した。笹垣と情報交換し、秋吉雄一の本名を知る。さらなる調査を進めようとするも・・・。


・篠塚一成

従兄の篠塚康晴と雪穂が結婚するにあたり、調査を今枝に依頼する。今枝の報告に動揺する。

・菅原絵里

今枝の助手みたいなもの。アパートに盗聴器を仕掛けられる。

・笹垣潤三・・・今枝を訪ねる。亮司の存在を今枝に教える。

・益田・・・今枝の元同僚。過去の資料を今枝に渡す。



●第12章 1991年9月 P.372〜430●


★秋吉雄一(=桐原亮司)

メモリックス社を退社後、典子のもとに転がりこむ。

★唐沢雪穂

養母礼子の葬儀のため大阪へ。


☆栗原典子

帝都大附属病院の薬剤師。秋吉雄一(=桐原亮司)と同棲中。青酸カリを亮司に渡す。

☆篠塚一成

篠塚薬品企画管理室副室長。雪穂の養母礼子の容態が悪く、康晴から大阪へ行けと命令される。

・篠塚康晴・・・篠塚薬品常務取締役。雪穂にプロポーズしたが返事はまだ。

・笹垣潤三・・・篠塚一成を訪ねる。

・浜本夏美・・・雪穂の部下。



●第13章 1992年11月 P.430〜506●


★桐原亮司

篠塚薬品のネットワークに侵入したハッカーだった。サンタクロースの衣装を着て『R&Y』大阪店オープンに駆けつける。笹垣から逃亡中、1階に飛び降りた際、鋏が・・・。

★篠塚雪穂

篠塚康晴と結婚。


☆笹垣潤三

刑事を辞め、事件の顛末を篠塚に語る。『R&Y』大阪店のオープンに亮司が来るとふんで待ち構える。


・菅原絵里・・・今枝の失踪後、今枝の事務所に引っ越す。

・古賀久志

大阪府警捜査一課長。かつて笹垣の後輩だった。笹垣の妻克子、克子の姪織江に頼まれ、笹垣の捜査をやめさせようとするが・・・。

☆栗原典子

帝都大附属病院の薬剤師。秋吉雄一(=桐原亮司)の行方を追うが、秋吉との出会いが偶然ではなかったと知らされる。


☆篠塚美佳

篠塚康晴の娘。継母雪穂を不審に思っている。そして・・・。


・葛西妙子・・・篠塚家家政婦。

・篠塚康晴・・・雪穂と結婚し、変わったらしい。

・篠塚優大・・・美佳の弟。

・篠塚一成・・・笹垣から捜査の一部始終を聞く。

・浜本夏美・・・『R&Y』大阪店の実質的な経営者となる予定。

・桐原弥生子・・・居酒屋(?)を経営中。夫洋介の性癖について笹垣に語る。

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